家族の入院

朝はいつもこんなに眩しかっただろうか、と思う。朝起きて、リビングに出ると、部屋中がキラキラ輝いている。漆喰の壁に光が踊っている。ひとり暮らしも4ヶ月を過ぎました。結婚して以来、これほど長く1人で暮らしたことはありません。いつも当たり前のように、家人がいて、二人の暮らしが続いてきました。…

看取りによって、家族は再び家族になる

9月1日、父の野辺の送りをすませました。8月30日の夕方、父は苦しむことなく、静かに逝きました。延命治療をせず、最後は点滴も外し、酸素吸入だけでした。弟と私がふ…

延命治療はしない

2019年8月28日、父は痰が絡んでひどく咳き込み、苦しんでいました。間質性肺炎が悪化し、肺に痰がたまっていきます。看護師さんが「痰を取っていいですか?…

父が教えてくれた「命の尊厳」

延命治療はしたくない、というのは、母が存命だった時から、家族で共有していたことでした。102歳で亡くなった母方の祖母は胃ろうでした。ほとんど意識がなく、意思の疎…

介護と仕事のはざまで

命の灯火が消えようとしています。少しずつ少しずつ。深夜、0時過ぎに札幌からタクシーで、定山渓の病院に着きました。一週間ぶりに会った父は、一回り小さくなってい…