「二拠点生活で気づいた豊かさ」ーー東川町デザインスクール講演レポート

  1. Lifestyle

11月20日、東川町デザインスクールで講演させて頂きました。テーマは「ニ拠点生活で気づいた豊かさ」。定員は50名だったのですが、約130名の方がご参加くださいました。

せんとぴゅあの講堂に並んだ130人分の椅子!
チラシと東川の水が置かれて。


デザインスクールは、織田憲嗣さんがコーディネーターとしてゲストをお呼びし、暮らしやデザインに関わる講演やワークショップを開催しています。すでに今回で78回目!

この日、朝は霧が深かったが、しばらくすると
快晴の素晴らしい天気になった。


始まる前、いらした方たちとできるだけお話ししたいと思い、1時間ほど前からおひとりずつとご挨拶させて頂きました。どんな話をお聞きになりたくていらしたのですか?とお聞きすると、かなり多くの方が二拠点生活を考えていらっしゃるとのことでした。


14時からスタートした講演では、


二拠点生活を決めた理由
1.東川町との出会い 2.自然と関わって暮らしたい 3.これから20年の人生


からお話ししました。中でも大きかったのは、至誠とこれから先の20年の生き方を話し合ったことです。今までの東京での暮らしと同じでいいのか、と考えた時、私たちは違う暮らしをしてみたい、もっと人と関わって暮らしたい、と思ったのです。

6月の東川2M house。
「2人とみんなの家」という意味。


東川2M houseについて、写真で家ツアーをしました。2M houseの意味は「2人とみんなの家」。至誠と私だけで住むのではなく、いろいろな方に東川に来て暮らしを体験してほしいと思いました。そのことを考えて間取りもプランしましたし、家具もセレクトしました。


次に、ニ拠点生活のメリットとデメリットについてお話ししました。
〈デメリット〉1.お金がかかる 2.スケジュールが難しい 3.庭を見守れない
〈メリット〉1.東京との時間的距離 2.それぞれの良さがわかる 3.自然の恵み、ゆるやな時間


メリットはもちろん、これ以外にもたくさんあります。水が美味しいこと、町の人が優しいこと、図書館が素晴らしいこと、旭岳に直ぐに登れること、スキーができること、、、、。しかし、二拠点生活を本気で考えるなら、大切なのはデメリットの部分ではないかと思います。中でも、お金がかかる、というのは実はとても大きなこと。世帯が二つになれば、電化製品から器まですべてダブルで必要です。その上、高熱費も1.5倍かかりますし、移動のための交通費も。そのことを緻密に考える必要があると思います。


後半は、「どこででもできる、小さな暮らしのための20のアイデア」を写真と共にお話ししました。

2.朝食は少しずつ


1.ミントのひと枝 2.朝食は少しずつ 3.野菜を大切に 4.庭の花を束ねる 5.バジルのパスタ 6.小さく花を生ける 7.トレイを使う 8.窓辺でティータイム 9.保存食を作る 10.くつろげる場所をつくる 11.カゴを愛用する 12.最後の花は浮かべて 13.果物を飾る 14.グラスでデザート 15.夕陽を眺める椅子 が下16.シンプルな朝食はまとめて盛る 17.野の花を飾る 18.家でピクニック 19.本をインテリアに 20.キャンドルを楽しむ


ここに挙げたことはどれも特別なことではありませんが、豊かさを実感する方法だと思っています。

7.トレイを使う。
バウ工房のトレイに、友人の手作りのマットを合わせて。


私の好きなイギリスの作家、ロザムンド・ピルチャーの代表作「シェルシーカーズ」に、こんな言葉があります。
「豊かさとは、持っているものの価値に気づくこと」
これこそまさに、今、私たちに必要な視点なのではないかと思い、講演会でもこの言葉を挙げました。


皆様からはたくさんの質問を頂きました。途切れることなく。照明のこと。残すものの基準。大切なものをしまい込まずに使うこと。ティッシュの箱はどこに置いていますか?から、ストレスケアの方法まで。他にもいろいろ。本当にうれしいことでした。


最後に、至誠の写真と共に、至誠の言葉をお伝えしました。東川での2人の時間を思いながら。「その時間があったことに感謝しよう」。

織田先生ご夫妻と至誠。
5月のチューリップの中で。


至誠は生前、東川の家に来ることはできなかったけれど、でも、今も心はここにあって私と一緒にいます。これからも私は、東川のためにできることは何かを考え、町の人たちと関わって生きていきたいと思います。


講演会の後は、お申し込み頂いた40名の方に、2回に分けて、オープンハウスを開催しました。町が用意してくれた2台のライトバンでピストン輸送(皆さんの車が停められないので)。各30分弱の短い時間でしたが、質問にお答えしながら実際に家を見て頂き、照明とキャンドルの中、夜の雰囲気を味わって頂きました。


今回のデザインスクールでは、東川町役場の皆様に、多大なご協力を頂きましたこと、改めてお礼申し上げます。そして、全国から講演会に参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

東川に来るといつも泊まっていた
ニセウコロコロにて。

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