日々の暮らしが人生を支える

  1. Family

夕方、とうとう東川に雪が降りました。例年より2週間遅れの初雪です。音もなく舞い降りてくる白を眺めながら、あの日から、一年たったのだな、と思っていました。

初雪はうっすらと地面を染めた。


その数日前、私はカラ松を愛でるドライブをしました。北海道の紅葉は、オレンジ色から赤になり、最後はカラ松の黄金色で雪を迎えます。その日、抜けるような空の下、カラ松の林はひときわ輝いていました。

東川から旭川空港を抜けて少し行ったところに、就実の丘という場所があります。この場所は知らなかったのですが、つい先日、「今、カラ松の紅葉が見頃なので、ぜひ行ってみてください」とInstagramのメッセージで教えてくださった東川の方がいて出かけたのでした。
⭐️こちらにも掲載されていました。https://www.tabirai.net/s/sightseeing/column/0001264.aspx

それは信じられないような景色でした。手前には黄金色のカラ松、奥には大雪山や十勝連峰。なだらかな丘には金色のグラデーションが続きます。丘をぐるりと回るように車で走る間、さまざまな角度からその景色が見えるのです。

就実の丘に向かう道の途中で見えた大雪山。

就実の丘より十勝連峰を望む。


去年、至誠が逝った後、私が考えていたのは、早く2人で東川に行きたいということだけでした。家で闘病中、何度「東川に行かなくちゃ」と2人で言葉を交わしたことでしょう。その言葉は、私たちのマジックワードだったのです。元気になることとイコールでした。


葬儀が終わり、何も考えられず、何も感じず、友人に付き添われて東川に来たあの時。何も感じないと自覚していたのに、それでも、カラ松の黄金色は心に染みました。後のことは、ほとんど記憶がないくらいなのに。


ほどなくして雪になり、この世界が真っ白に変わった時、なぜかホッとしたものです。この雪の中で、痛みも記憶も凍らせてほしい、と願いました。


その頃の私は泣くことも出来ず、1日1日を過ごしていくことだけを考えていました。


雪は慰めであり、救いでした。


1年が経ち、乗り越えることも痛みを忘れることも出来ませんが、ただそのことに慣れるしかないのだと、静かに受け止めることはできるようになりました。


11/20に東川デザインスクールで講演させて頂きます。テーマは「二拠点生活で気づいた豊かさ」。すでに90名以上の方がお申し込み頂いているそうです。二拠点生活のメリット、デメリット、そして東川での時間をお話しするのはもちろんですが、それ以外のこともお話ししたいと思っています。「日々の暮らしが人生を支える」のだということを。


東川2M houseでの暮らしがなければ、決して今の私はなかった。この家とここでの時間、日々の当たり前の暮らしが私を生かしてくれました。


至誠は私の人生にとってあまりにも大きな存在でした。至誠のいない人生など、考えたこともありませんでした。今、私の人生はある意味、余生です。


その余生を意味あるものにするのは、「誰かのために何かをする」こと、と思っています。


生かされていることには、意味があるのだと思いたいーー2年目の黄金色のカラ松を眺めながら、改めて自分と向き合う時間を持ちました。

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