幸せな2日間ーー再び、退院

  1. Family

6月4日、家人は念願の退院を果たしました。


しかし、度重なる入退院に、二人とも手放しでは喜べず、まだ、半信半疑というのが本当のところです。

特に今回は、脳梗塞か?という救急車での入院でしたので、なおさらでした。
短時間に歩けなくなり、言葉が不自由になるのは、恐怖でした。

あの突然の朝から、ひと月。
原因は未だ明確ではないものの、脳梗塞ではなく移植後のGVHDであろう、という推測で治療を進めてきました。
幸い効果があり、リハビリも進んで、会話はほとんど問題なくできるようになりました。

四肢の麻痺はないのですが、脚に力が入らないという状況。
入院が長引くにつれ、筋力の衰えも目立ちました。
今はやっと伝い歩きができるように。

食事も箸は持てませんが、スプーンやフォークを持って、自分で食べることができるようになりました。少しずつ、改善方向に向いていることに、明るい面を感じています。

実は先週の週末にも、2日間、一時退院していました。本人の気持ちが病院生活に耐えきれなくなり、主治医から週末だけ許可が出たのです。

いわば、退院のリハーサル。
一時退院の2日間、自宅での介護は戸惑うこともありましたが、なんとか対応できるという手応えも得ることができました。


ひとつひとつのことに時間がかかり、ヘルプも必要です。けれど、それは私たちにとって、とても貴重な愛しい時間でした。


家人が食べたいというものを作り、一緒に食べました。まずはパスタ。

マーレキアーロのイカ墨のパスタ。
取り寄せてあったのをやっと食べることができた。


朝食にはフレンチトースト。フレッシュな果物を添えて。

フレンチトーストには、
メープルシロップをたっぷりかけて。

シフォンケーキもそのひとつ。初めて焼いたのですが、思いがけずうまくできました。家人は美味しい、美味しいとお茶の時間に四切れも食べました。

卵3個を使ったシフォンケーキ。
なんとかうまくいって、ホッと。


コーヒーゼリーも作りました。これも家人の好物。

自家製コーヒーゼリー。
柔らかめで、甘すぎないのが好み。


そして、知り合いのご夫妻が、家人の好きな稲荷寿司を作って、わざわざ届けてくださいました。有り難くて、美味しくて。家人は思わず、涙。

ジューシーな甘辛味が堪らない。

病院に戻る時、家人がぽつりと言いました。
「幸せな2日間だった」。


今、再び一緒の時間を過ごしながら、心に決めていることがあります。


1分を1時間、1日を1週間のつもりで暮らそう、と。


一瞬を大切に、ということを今ほど感じたことはありません。明るい未来しか考えない。
しばらくは、二人の時間を最優先したいと思います。

今夜のご飯。
稲荷寿司に続いて、ご夫妻が届けてくださった
家人の好物の揚げ茄子の味噌味、牛肉牛蒡と共に。



iPhoneから送信

関連記事

うれしい知らせ!ーー「生着間違いなし」

年末からお正月の間もずっと、毎日、家人の病院に行っています。コロナのため面会禁止ですし、そもそも無菌病棟なので直接、会うことはできないのですが、差し入れを看護師…

  • 1654 view

父が教えてくれた「命の尊厳」

延命治療はしたくない、というのは、母が存命だった時から、家族で共有していたことでした。102歳で亡くなった母方の祖母は胃ろうでした。ほとんど意識がなく、意思の疎…

  • 2419 view

奇跡を信じてる

快晴の日曜日の朝。病院からの電話にびくっとしました。「すぐに来てください」と先生の声。体の震えが止まらないまま病院に駆けつけると、5分間だけ至誠に面会することが…

  • 5288 view

「一緒にいてくれること」だけでいい

家人が退院して2週間が経ちました。この間、一度、外来受診をしましたが、血液検査の結果は良好とのこと。食欲もあり、洗濯やお風呂洗いなど、以前こなしていた家…

  • 1787 view

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。