東川から帰ってきていちばん驚いたのは東京の家が寒いことです。冬こそ北海道ーーとはまさにそうで、22℃をくだらない室内環境に慣れると、床暖房とエアコンの東京のマンションでは寒く感じます。
東京のマンションは、至誠がいた時と変わらずそのままで、正直ブラッシュアップしていません。自分の中でものを動かす気持ちの整理がつかないのです。至誠の服や愛用したものも、家で闘病していた時のリビングのベッドもそのままです。
気持ちを切り替え、次の暮らしに向かっていくためには、模様替えするのがいちばんとわかっているのですが、まだ手をつけることができません。
でもベランダだけ、少し変えることにしました。雪の東川は本当に美しいけれど、外での時間は5月まで無理です。けれど東京では、10℃以下の気候でも、風がなければ陽射しが暖かく、ベランダでお茶を飲んだり軽い食事をとったりすることができます。
ベランダの防水工事のために、ベランダのグリーンを全て撤去してから1年以上経ちました。小さな鉢植えは置いていたけれど殺風景なままでした。これから東川と東京行ったり来たりの生活を考えると、水やりが大きな課題でもありました。自動冠水システムも入れられますが、長期で不在の時は、水漏れなどが心配です。
そこでモダンリビングと一緒に、観葉植物のレンタル「ラブグリーン」https://love-green.jp/をしている日植ガーデンの吉良さんに相談すると、2週間くらい水やりをしなくても、給水できるポットを開発したとのこと。先日早速それを入れてもらいました。
ポットのグレーのマットな質感やシンプルな形もとても素敵です。不織布のバックにハーブを寄せ植えにしたものを入れているので後から植え替えも簡単。ポットの縁が空洞になっており、大きいサイズでは20リットルの水をためることができます。雨が降っても、ポット内に水が溜まって根腐れすることのない工夫がされているそうです。
12月にこのポットを設置し、年末年始2週間以上、家を留守にしましたが、ハーブたちは元気のまま年を越してくれました。
そして昨日、心待ちにしていたRODA(ロダ)の家具がやってきました。ロダはアルフレックス・ジャパンが扱うイタリアの屋外家具メーカーです。https://www.arflex.co.jp/products/brands_roda/
高品質なチークを用いたデザインは、素朴さと高級感が共存しており、それが私の好きなところ。チークは時間が経つと、グレーに変わっていきます。その変化も美しいのです。
ベランダは奥行き1.2mと限られた空間なので、ラウンジテーブルROOT(ルート)とラウンジチェアORSON(オルソン)1脚をセレクト。チークを際立たせるために、色は敢えてグレーに。テーブルの天板もちょっとラフな印象のLUNAという石にしました。
ベランダに置くと、一気に景色が変わりました。
家具の力は本当に大きい。
ラウンジのテーブル&チェアにしたことで、視線が低くなり、リラックス感も増しました。ハーブ達もすぐそばに。
早速、ベランダ朝食。風はないものの空気は少し冷たいので、こういう時、肩掛けになるものは必須です。私は北欧のラクアンカンプリのポケット付きショールを愛用しています。これ、膝掛けにも重宝します。
陽射しが強くなってきたので、簡単な日除けも設置。紐を張って、テーブルクロスを洗濯バサミで止めるだけ。
なんて気持ちいい!!!
自分のいる場所を心地よくする。
それは暮らしの基本です。至誠が逝ってこの3ヶ月、わかっていてもできなかったこと。
ベランダが変わって、気持ち良い場所になったことで、少しずつ室内も、と心が動きました。
人は自分の周りにあるものでつくられていく。
自分を大切にするために、居場所を心地よく調える。
ロダの家具がきてベランダが変わったことで、これから少し暮らしを前進させることができそうです。
iPhoneから送信