7月11日(土)、家人が退院しました。
昨年の10月11日に急性白血病で入院してして以来、9ヶ月。
コロナのため、1月以降は一時退院もままならず、そのうえ、3月には家族さえ面会禁止に。
毎週2回、食料や着替えの差し入れを持って行っていましたが、守衛室に渡すだけでした。
それでも1日に何度もFaceTimeで話をし、夜の食事も極力、FaceTimeを繋いで一緒にとっていたので、むしろ一緒にいた時より、深い話をする機会は多かったかもしれません。
今、振り返ってみると、長い長い9ヶ月でした。
病気自体、突然すぎました。
夕方になると微熱が続くからと、近所のクリニックを受診してして、すぐ大きな病院へ。
そして、検査の結果、即日、入院。
白血病で免疫機能が下がり、肺炎を起こしていました。
家族の入院→https://yuka-shimoda.jp/wp/family/398/
すぐに抗がん剤治療が始まりました。
父の入院はありましたが、それはある程度、予期したことでした。今回のような突然の家族の入院は初めてのこと。病気の種類にかかわらず、誰でも遭遇する可能性があることですので、何かの役に立てばと思い、その時の自分の行動を振り返ってみたいと思います。
1、入院する病院はここでいいのか?
近くのクリニックを受診して、そこから紹介されて血液検査に行き、即入院でしたので、自分達で検討する時間がありませんでした。長い治療になることは想定されましたし、医学的知識が乏しい中、病院のセレクトが重要だということは、容易に想像がつきました。私は、家族ぐるみで親しくしていただいている元大学病院の医師にすぐに連絡し、相談しました。ご専門は小児科でしたが、医師のネットワークはすごく、血液内科の先生に連絡をとり、今の病院が信頼できることを確認してくださいました。安心して任せられる、という手応えを得られたのはとても大きかったと思います。インターネットの情報も目を通しましたが、確信できるような情報は得られませんでした。
2、この病気について知ること。
白血病が血液のがんであることも、様々な種類があることも知りませんでした。可能な限り、インターネットを検索して多方面からの情報をインプットしました。治療方針に対して正しい判断を下すためには、絶対に必要なことです。
3、がんについての本を読む。
化学療法を受け入れていても、大量の薬を投与することに関しては不安もあり、それ以外の可能性についても本を読んで情報を収集しました。しかし、多くの本を読んでみると、必ずしも当てはまらないことが多い、ということもわかりました。その科学的根拠が明確ではなく、あくまで確率や経験が主体でした。ただ、そうした中で、科学療法を拒否する人の気持ちもよくわかりました。自分の判断が偏らないためには、多くの幅広い情報に触れることが大切だと思います。
白血病は病気のタイプによって治療法も違い、体力や年齢によっても対応が違います。日進月歩で進化している分野でもあり、結局は、主治医とよく話し合い、説明を何度も丁寧にしてもらって、やっと理解できることが多々ありました。そういう主治医に出会えたことは、本当に幸運だったとしか言いようがありません。
入院中、湿疹、発熱などの副作用もありましたが、多くの場合は先手先手で投薬し、症状が重くならないよう回避してくれました。食事が食べられなくなったのは最後の方だけで、それは主治医によると「入院イヤイヤ病」だそうです。これについては、家人がエッセイに書いています。いつもながら、クスッと笑ってしまうような文章です。
ライフ・イズ・マジック→
https://www.1101.com/magic/2020-07-19.html
現在は、完全寛解の状態にあり、少しずつ日常に慣れる毎日です。
退院して1週間、ごく普通に生活することができ、食事制限もありません。入院イヤイヤ病はすっかり完治し、食欲もモリモリ。コロナが怖いので、人混みは避け、人と会うことも最小限に。また長く日に当たっていなかったので、激しい温度変化にも対応できないため、熱中症に注意しています。一年以上は、維持療法を続ける必要があるため、通院が続きます。
それでも、家族が戻ってきたことは本当にありがたく、幸せです。
二人ともこの経験によって、当たり前の日常がいかに特別なものか、ということに気づきました。ご飯を食べること、話をすること、散歩に行くこと、買い物をすること。その一つ一つが、キラキラするほど美しく、貴重なのだということに。
退院して初めて買い物に行った時、家人が呟いた言葉。
「普通の暮らしって、豊かだな」
神様、ありがとうございます。