グレイヘアへの道ーー自分を支えてくれるもの

  1. Lifestyle

ヘアカラーをやめたのは昨年10月のこと。それから約10ヵ月。私もすっかりグレイヘアになりました。

最近では、トレンドのように扱われるグレイヘアですが、やはりカラーを止めるのには勇気が要ります。

老けて見えるのではないか。印象がものすごく変わってしまうのではという不安。

私もいつかはと思いつつ、まだまだ先のことと思っていました。 けれど、昨年10月に家人が急性白血病を発病して突然入院。

覚悟はしていたものの、抗がん剤治療で家人の髪の毛がハラハラと抜けていくのを見ていると、とても自分の髪を染める気にはなれませんでした。

昔の人なら、剃髪したのかも、、、。

初めての家人の病に、私自身、気持ちの大きな変化もありました。

未来は予定できないのだということ。

今という時間は、指からこぼれるように過ぎていくのだ、ということ。

昨年の今頃は、弟と父の病室にいました。父との最後の数日間でした。そのことを忘れたわけではありませんが、家人の病気は、父や母の時とはまた違った重さでした。

自分の中での生き方の変化を形したいという思いもあり、かかりつけの美容師さんに相談して、ヘアカラーをやめることにしたのです。

ただ、スムーズにグレイヘアに変換できたのは、それ以前に美容師さんのアドバイスがあったからなのです。

いつかグレイヘアに、と考えている方もいらっしゃると思うので、ご参考になればと思い書いておきます。

去年、還暦を迎えた時、そのうちカラーを辞めたいのだけれど、まだ決心がつかなくて、、、と、美容師さんに相談したことがあります。

そうしたら、「種まきしておきましょう」と言ってくださったのです。それからはカラーをしても、髪の芯まで染まらないように、薬剤を調整してカラーしてくださいました。

それから約半年後。家人の入院後、ヘアカラーをやめたときには、生え際は表面しか染まっていなかったので、くっきりと白い筋ができず、全体の色が自然に白く変わっていきました。

もうひとつ、グレイヘアにするなら、意志的であることも大切だと思います。消極的ではなく、積極的にこのヘアを選んだ、という意思表示をする。私はもともとショートでしたが、思い切ってさらに短くカットし、白髪が多かった右のこめかみ部分を刈り上げに。

メイクも変えました。今ではアイラインは必須。昔、ヴァンテーヌをやっていた頃、長く美容担当でした。昔とった杵柄が役に立つこともあるのですね。

髪形を変え、髪の色を変え、メイクも変えて、これから家人と一緒に病気と戦うぞ!という覚悟もできたという感じでした。

ファッションも美容も、ネガティブな時こそ、自分を支えてくれるものだと思います。

それはインテリアも同じこと。

私がこれからの人生でやるべきことがあるとしたら、生きることの味方になる「暮らしの工夫」を届けることかな、と思っています。