一日一通、手紙を書くーー病室への便り

  1. Family

家人が再入院して5日が経ち、一昨日から抗体療法が始まりました。幸い、今のところ副作用もなく、順調に推移しています。

あとはただ、普段通りに過ごすことを心がけるだけ。気持ちを強く持つこと、淡々と目の前のことをやること。

私自身も、1日のスゲシュールをたて、それに沿って事に集中しています。できるだけ、余分なことことを考えないように。

特に朝は、細かくルーティーンを決めています。

まず、水を飲む。ベランダに出て光を浴び、植物に水をやる。父と母の写真の周りを掃除し、花の水を換え、グラスに水を注いで供えてお祈りをする。それからメールチェックやブログ書きをして、8時には家人とFaceTimeで一緒に朝食。

以前は寝起きが悪く、起き上がってもすぐ行動できなかったのが、この朝のルーティーンを整えてから、スムーズにスタートできるようになりました。考えずに、次の行動が決まっているというのは必要なことなのだとな、と。

「規律」という言葉の重さに気づきました。

もうひとつ、始めたことがあります。それは、1日の終わりに、家人に手紙を書くこと。

手紙といっても、たくさん溜まっているアートのポストカードなので、ほんの5~6行です。

メッセーンジャーやフェイスタイムで、1日に何度も話しているけれど、そこでは伝えきれないことがあると感じたから。

住所を書き、切手を貼り、考えた言葉を限られたスペースに書く。

次の朝、ポストに投函し、数日後に届く。

そんな手紙ならではのゆっくりとした時間の流れ。その中でこそ、伝えられることがあるような気がします。

「今日はルノワールが届いたよ」

「ゴッホが来たよ」

と、家人からのメッセージ。

退院するまで、どれだけのポストカードが病室に届くのかわからないけれど、一日一通の手紙は、二人にとって確かな「形あるメッセージ」です。