東川2M houseのモダンリビング掲載

  1. Lifestyle

12月に義父が亡くなったので、新年のご挨拶は控えさせて頂きますが、今年もよろしくお願い致します。

年末年始は本を読んで過ごしました。SNSも最低限にして、テレビもつけず、映画も見ず、雪景色と音楽と本だけの3日間。
何か自分自身がとても浄化されたような気がします。

普段、忙しいとか、追われているとか思っていなくても、たくさんのことを抱えて心は疲れているのかもしれません。
周りの情報をいったん遮断して、デトックスしてみると、何が大切なことか見えてくるものです。

本を読む間には、ゆっくりコーヒーを淹れました。
両親の家から持ってきた古いコーヒーミルで豆を挽いて。

このミルは、もう30年くらい前のもの。両親が豆を挽いてコーヒーを淹れるようになったのは、父が定年退職し、札幌に自分の家を持ってからでした。木製のがっしりとしたコーヒーミル。引き出しの内側には粉がつかないようアルミフォイルが貼ってあり、「パパの仕事。丁寧ね」と言った母の言葉が思い出されます。
雪景色を眺めながら豆を挽き、コーヒーを淹れる時間。とても貴重なひとときです。

父のコーヒーミル、と私は呼んでいる。

12月14日発売のモダンリビングに、東川2M houseが掲載されました。撮影は写真家の下村康典さん。スタッフの松本佳津江さんとともに、去年、冬、初夏、秋と3回も東川に来て撮影してくれました。

モダンリビングに掲載された東川2M house。


取材してくれたのは、元モダンリビングのスタッフで、エルデコにも長くいて昨年、フリーランスになった佐藤久美子さん。佐藤さんは、2003年に私がモダンリビングの編集長になった時には、大学を卒業したばかりで私よりひと足先にモダンリビングに来ていました。建築関係の学科だった佐藤さんに、建築もインテリアも素人だった私は、ずいぶん助けてもらったものです。


そして、高坂編集長はとても丁寧に、最適なタイミングとテーマで、東川2M houseを取り上げてくれました。随所にこまやかな心配りを感じる編集でした。20年以上、モダンリビングの中心になってきた高坂編集長とは、多くの現場を共有し、本を作ってきました。今はモダンリビングの精神を安心して委ねています。


3人とも20年来の仕事仲間。本当に長く一緒に仕事をしてきて、今、ここにあることに、感謝しかありません。わかりすぎるほどわかっている間だからこそ、ページという形にするのは難しかったところもあると思います。3人は至誠とも数え切れないくらい会う機会がありました。

最初に送られてきた校正を読みながら、涙せずにはいられませんでした。私の思い、伝えたいことがまっすぐに誌面になっていたからです。
この掲載は、モダンリビングのみんなから私へのプレゼントだった、と思っています。


この家を設計してくれた建築家の森山善之さんのコメントもとてもうれしいものでした。そして、最後のデータには、「東川プロジェクト」と呼んでいたこの家に関わってくださった方たちのお名前も掲載されています。キッチン、床材、バスタブ、水洗金具、外壁、造作家具、、、。本当にたくさん方の協力でこの家ができました。

関わってくださった方たちのお名前が載っていることが、
とてもうれしい。


モダンリビングの掲載は、メディアとしての最初のものです。そうしたいと私も望んでいました。最初に出るメディアは、本当に私のことをわかっている人たちの手に委ねたいと。


2019年7月の土地の取得から始まった東川プロジェクトは、モダンリビングの掲載で、ひとつの区切りを得たように思います。

冬の今は、想像できない初夏の景色。


この家は至誠と私の家であるだけでなく、「みんな」の家です。そのために何をしていったらいいのか。今年はそれをスタートする年です。


まず考えているのは、この家をサロンにしよう、ということ。町の人に対してもさまざまな機会を作っていきたいと考えています。そしてMLクラブの会員のために、「東川ローズマリーサロン」を開催するつもりです。


ローズマリーサロンは、コロナ以前、東京の自宅で開催していたスペシャルセミナーです。東川でならもっと幅広く深く、セミナーやワークショップができます。インテリアや建築のことはもちろん、東川の取り組みを知ることや、東川で起業している方のお話もとても参考になると思います。そして、私自身の暮らしや考え方も、もっと直接、お伝えしたいのです。


私たちは、時代の大きな変換点にいるのではないでしょうか。暮らし方も仕事の仕方も、この数年間の変化は10年分以上の変化だと思います。価値観を見直し、自身が何をしていくのかを考えることは、今、何よりも大切なことと思わずにいられません。


2023年、卯年。私の今年の言葉はーー

「今、できることをしよう」

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