暮らし方から考える家づくり

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東川プロジェクト【2】自分で家のプランを描いてみる。

6月に不動産屋さんのYさんから、東川の土地の情報が送られてきた時、私が最初にしたのは建築家の意見を聞くことでした。

「モダンリビング」の編集長として300件以上の撮影に立ち会い、数え切れないほどの住宅を見てきて、建築家の視点に深い信頼を置いていました。

実はこの土地に辿り着く前に、すでに東川の土地をいくつか見て頂いた建築家がいます。

建築設計事務所バケラッタの森山善之さんです。

森山さんに土地の情報を送ってお聞きしたのは、方角や道路との関係、ロケーションなど、この土地に家を建てるにあたって問題はないかどうか、ということ。

森山さんはすぐにGoogleマップで敷地をチェック。

「350坪と土地が広いから建物の向きはどうにでもなる。

ロケーションが良いし、今まで見た中では、いちばん下田さんに合う土地だと思うよ」と返信がきました。

森山さんに設計をお願いしようと決めた理由は、私が思う心地よさをいちばん共有してもらえる建築家だと思ったからです。

バケラッタと一緒にミラノサローネのバスツアーをするようになって、15年になります。

ベルギーやイビサ島など、海外の住宅も共に行った経験があります。

バケラッタの日本の住宅も数多く取材させて頂きました。

そうした共通体験があることは、家という言語化できない部分があるプロジェクトの中では、とても大きいと思いました。

私には、東川に家を建てるにあたり、イメージの元となる家が2つありました。

一軒は、森山さんとも一緒にいったベルギーのアウトドアブランド、エクストレミスの社長である、ディルクさんの家。


ガラスの筒の中に、三方を見渡せるソファがある。

大きな納屋のリノベーションでしたが、ガラスの筒のような窓から見渡す自然の開放感は、忘れがたいものでした。

家の大きさや土地や広さ、スケールはまったく違いますが、東川は景色の美しい場所なので、ベルギーで体験した気持ちよさのエッセンスを取り入れたい、と思いました。

そしてもう一軒は、デンマークのポール・ケアホルム邸です。

ケアホルム邸が表紙になった本。

取材に行ったのは2008年頃。

撮影のために、半日滞在しました。

海に向かって開いた平屋。

家具でゾーニングされたシンプルな空間。

ずっといたいと思わせる、おおらかな心地よさに溢れていました。

北海道の気候や空気は北欧に似ています。

ですから住宅や家具も北欧スタイルのものがとてもしっくりきます。

そういう意味でも、ケアホルム邸はひとつのモデルでした。

私は、家に望むことをはっきりさせるために、フリーハンドでプランを描いてみることにしました。

何度か描いているうちに、次第に自分たちの望むこれからの暮らし方が見えてきました。

1.人が集まる場所として、8人は座れるダイニングが必要。

2.リビングには家人がゴロゴロできるデイベッドのようなソファが欲しい。

3.夏はできるだけ外で過ごしたいから、広いテラス。

4.一年の半分は冬なので、冬はアウトドア家具を室内に入れたい。

5.家全体が一室空間になるよう、個室は引戸で開け放せるように。

6.いろいろな方に来て頂きたいから、ゲストルームを一室、ベッドは2つ。

7.キッチンはオープンに。店が遠いので、食料庫は広めに。

8.北海道は洗濯物は室内干しが基本。ボイラールーム兼ランドリールームに。

9.車庫は納屋を兼ねて、収納を大きめに作る。

10.除雪のエリアが広くならないよう、玄関と車庫の位置を配置する。

11.バスルームは、今までのマンション同様、シャワーブース+バスタブで。

12.人が集まり、イベントやセミナーをする家を想定して、スペースを少しだけ広く。

13.何人かいても離れて別のことができるように、家の中に距離を作る。

14.庭の木はできるだけ残す。

15.冬を心地よく過ごすための設備を重視する。

16.平屋であること。

私はケアホルム邸をベースにプランを描き、上記のメモと共に、森山さんに渡しました。

すると、しばらくして「下田さんのプラン、模型を作ってみたよ」と、と森山さん。

え!え!えっ!

サイズとか距離とか、いい加減なんですけど!!!

まさかこのフリーハンドのプランをそのままコピーで拡大して、模型にするとは!!!(^◇^;)

でも、それによってこのプランの欠点もはっきりと見えてきたのでした。

敷地はGoogleマップを拡大して再現。高低差も反映。
解体していない家と納屋が残っている。
私の手描きのメモがそのまま模型に、、、!!!


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