暮らしの術【5】不安と向き合う知恵

  1. Interior

1週間前には予想できなかったことが、日々起こっていきます。

ロンドン郊外に暮らすイギリス人の友人夫妻も、食料を買いに行く以外は、ずっと家にいるとメッセージをくれました。

NYもミラノもパリも外出禁止。

右肩上がりの感染者と犠牲者のグラフに、絶望的な気持ちになることもあります。

そんな中、キャンドルの灯のように、温かい気持ちなったのは、アムステルダムでは食料品店だけでなく、花屋も開いているというSNSの投稿でした。

花屋をクローズしないオランダ!

花がいかに暮らしの一部になっているかを感じます。

それでも、世界一大きいアールスメアの花市場(ヴァンテーヌという女性誌を担当していた頃、取材に行ったことがあります)では、毎日、大量の花が廃棄されているそうです。

東京も都市封鎖という言葉が聞こえ始めました。

「先が見えない」ということには、漠然とした不安が常に付き纏います。

このもやもやとした気持ちとどう向き合ったらいいのか?

ひとつだけ言えることは、「今」に集中するということです。

過去を振り返らない。未来を憂えない。

先のことを心配しても、問題は解決しません。

具体的にできることをひとつひとつこなしていくこと。

結局は、それが不安と向き合う最善の方法のように思います。

では、具体的な知恵とは、、、?

私自身は、こんな小さな心がけをしています。

【免疫力を高める】

1.手洗いセット

どんなに気をつけても、気をつけすぎるということはありません。

新型コロナに対する備えはもちろんですが、家人が無菌室に入院しているので、私自身、少しでも熱が出たりしたら、(今でも限定的ですが)一切面会できくなります。そういう意味でも、かなり慎重にしています。

外に出る時は、いつでもきちんと手洗いできるよう、小さな石鹸とペーパータオルをジップロックに入れて持ち歩いています。

これが思った以上に便利!

小さな石鹸を持ち歩くことになるとは!

2.朝の蜂蜜

朝は、免疫力を高めるというハーブの蜂蜜、マヌカハニーを1匙。

熱を加えない方がよいそうなので、飲み物に入れたりせず、直接、口に。

普通の蜂蜜も常備して、砂糖の代わりに使っています。

ニールズヤードで買ったマヌカハニー+10。

3.新しいことに取り組む

仕事をしてきた経験上、気が抜けると免疫力が低下する(年末など長距休暇に風邪をひいてダウンするのはその典型)のがわかっているので、アクティブな気持ちを持ち続けるためにも、新しいことに取り組むようにしています。

比較的時間があるので、苦手意識のあるデジタルのアプリを試したり、調べたり。

4/1に予定しているセミナーのライブ配信も新しい試みです。

http://modernliving.jp/shimoda/kizuki_20200317

語学を少しでも磨くために、また海外の視点を知るために、デジタルで英字新聞を読むのも日課にしています。https://www.japantimes.co.jp/

【きちんと食べて、しっかり寝る】

1.寝る前には本を読む

精神と身体は繋がっています。

疲れていたり、寝不足だったりでは、決して明るい気持ちにはなれません。

生活のリズムを崩さないようにし、スマホはできるだけ早めに終了。

寝る前には本を読んで気持ちをクールダウンさせます。

ソファの後ろの本棚。
3ヶ月こもれるくらい本はありそう。

2.自分で作って、ゆっくり食べる

三食の食事は、簡単なものでも丁寧に自分で作り、できるだけ美しく盛り、ゆっくりと食べるようにしています。

ひとりでいると、早食いになってしまいがちなので、これは意識的に。

料理ができる、ってとても重要なことです。

トマト缶とタマネギとニンジンなどの残った野菜、スープストックがあれば、美味しいスープができます。

ひとりなので、野菜は数種類ずつ買い、使い切ってから次を買うように。

できあいのものはできるだけ避けて、シンプルで体に良いと思えるものを食べるようにしています。

特別なものではないトマトスープも、
ポーチドエッグを加えると一品に。


【部屋を調える】

1.まずは掃除!

家にいる時間が長い今だからこそ、インテリアにもっと目を向けたいと思います。

と言っても、新しいものを取り入れるのではなく、今あるものを最大限に活かすことを考える。

心地よい場所であれば、外出自粛が続いても耐えやすくなります。

前から気になっていたところを片付ける。

棚を拭いて物を置き直す。

引き出しの中を片付ける。

気分が鬱々していても、体を動かして掃除をすると、今に集中できます。

終わったときには部屋も気持ちもすっきり!

気づいたときに埃を払うことが
楽しくなる、ドイツのレデッカーのブラシ。

2.壁の絵を掛け替えてみる。

気づくとずっーと同じになっていませんか?

壁の額は窓のようなもの。

見える景色に大きく作用します。

何か一つ変えることで、次々に変えたいこと、手を加えたい場所が見つかるはず。

何かひとつ、動かすことが大切。

ほんの少し、椅子の位置を変えるだけでも、部屋の雰囲気は変わります。

額を掛け替える。
水に浮かぶ睡蓮のモノクロ写真に。

3.クッションを変える

春の光になってきました。

クッションやカバー、テーブルクロスなどの布物を、軽やかなものに変えてみましょう。

タイミングは、いつもより少し早いかもしれないけれど、面積が大きいファブリックの効果は大。

最も簡単で効果的な方法です。

ピカソのクッション。
ちょっと春めいた明るさに。

暮らしは具体的で、クリエイティブなものです。

不安な時こそ、手を動かし、体を動かす。

自分自身に今、言い聞かせていることです。