決意ーー入院10日目

  1. Family

家人が、急性白血病で入院してから一年が経ちました。


昨年の10月11日。血液検査をして緊急ではないからと帰宅した翌日、急に病院からの電話で呼ばれ、そのまま入院になりました。


それから10ヵ月。パンデミックになり、2月以降は面会も禁止に。一時退院もできないまま、1月からの半年は1度も帰宅することはありませんでした。そしてやっと7月に退院。


東川での2週間の夏休みの後、検査で再発が分かり、8月からまた1ヵ月の入院。


そして10月5日別の病院に3度目の入院をしました。


昨日、約1週間の検査を終え、担当医師から現在の状況と、急性白血病について、今後の治療方針やさまざまななリスクについての詳しい説明がありました。


60代後半の年齢とは言え、既往症がないこと。現在、寛解状態にあること。体力的に問題がないこと…などから医師からは完治を目指しての、造血幹細胞移植を勧められました。


克明なリスクを知れば知るほど、前に進むことに躊躇が生まれます。また、長かった10ヵ月の入院生活を経て、これからまた少なくとも半年の入院が続くことを思うと、暗い気持ちにならざるえません。


それでも家人と私は、迷うことなく前に進むことを決意しました。


順調にいけば、さまざまな前処置を経て、12月初めに臍帯血移植を受けることになる予定です。
骨髄移植の場合は3ヶ月から5ヶ月かかると言われています。それに対し、臍帯血移植の場合は平均3週間ほど。一刻も早く移植することが望ましいとの事でした。


移植後、大きな副作用がなくとも最低3ヶ月の入院が必要とのこと。医師からは、桜を見ることを目標にしましょうという言葉がありました。


その後、家人と話し合いました。
私たちは、来春の桜よりも、今日一緒にご飯を食べたり、話をしたりすることを大切にしようと。


細やかなことが、人生を支えてくれるのです。


今が積み重なって明日になり、明日が続いて明後日になる。


先のことを思い煩っても仕方がない。過去のことを憂いても仕方がない。


2人で、謙虚に、堂々と、前を向いて進みたいと思います。

医師の説明を聞いて帰った日。
友人が贈ってくれたブラウンのバラが私を励ましてくれた。


入院前のある日、
代々木上原のファイアーキングカフェで。