4月5日。私の63回目の誕生日でした。19歳の時から、至誠といつも一緒だった日。今年初めて、ひとりで迎えるバースデー、そう思っていました。
でも、ひとりではありませんでした。たくさんの方からのメッセージとコメントとお祝いと。本当にありがとうございます。
この日、インテリア・コーディネーターの友人から、詳細は知らされず、ただ午後の時間を空けておいてくださいと連絡がありました。ミステリーツアーみたいです。
待ち合わせの場所から移動して、パレスホテルへ。
レストランの個室に入ると、思いがけず、10人の友人が迎えてくれました。高松、岡山、大阪、京都、奈良、盛岡、神奈川、東京、、、から!感激のサプライズランチ!
こんな時に、こんな忙しい中で、このランチのためだけに来てくれた友人達。みんな即決で、集合が決まったのだそうです。
オンラインでは会っていても、リアルには2年以上会えなかった人たちもいます。私とだけでなく、お互いがそうでした。やっと会えた、それがうれしくて涙が出ました。
それからは、美味しい食事を頂きながら、おしゃべりは止まらず、みんな笑い転げました。後で動画を見ると、私も椅子から転げ落ちるくらい笑っています。
もう、二度と笑えないんじゃないか、と思った日。至誠が逝ってしまったあの時から、5ヶ月。私、こんなに笑えるようになったんだと、初めて気づきました。
笑って笑っておしゃべりして、時間はあっという間に経ち、友人達はまたそれぞれの場所へ帰って行きました。
私は帰宅してから、ひとりひとりからもらったカードを何度も何度も読みました。そこには、さまざまな言葉で、出会いへの感謝が綴られていました。
20代の時とは違い、誰もが悲しみを抱えています。親のこと、子供のこと、仕事のこと、伴侶のこと。その悲しみや辛さがあるから、笑顔はさらに深い意味を持つのだと思います。
泣きながら笑うことができるのが、大人の笑顔。
50代、60代になって、こんな素晴らしい友人達と出会うことができるなんて、若い頃には思いもしませんでした。人生はなんて素晴らしいサプライズを用意してくれているのでしょうか。
ランチの翌朝、カフェの桜の木の下で桜吹雪を感じていると、至誠の声が聞こえました。
「僕の分も、美味しいものを食べて、美しいものを見て、笑って。そんな結花を見ているのが、僕の幸せだ」
そうだね、至誠。一緒にたくさん笑って生きていこうね。
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