12月25日のクリスマス移植の数日前。
3月31日まで逆算して100日目。私は手持ちの中から100枚のポストカードを選び出しました。それを10枚ずつ束にし、カードの右下に1から100までの番号を振りました。
次の日から1日1枚、病院の家人にそのナンバー入りのポストカードを送っています。
それまでも、ほとんど毎日、ポストカードを送っていました。個室だった時は、個人美術館のようにカードを部屋に飾っていたのですが、今は相部屋なのでカードを飾る場所もありません。
クリスマスにマリアージュフレールの紅茶とジャムのセットをいただきました。その箱がとてもきれいだったので、少しだけリメイクして、家人に届けました。
今の家人には、プレゼントできるものが何もないのです。パジャマも病院からの支給品。ベッドの周りには余分なものを置くスペースはありません。おいしいものも食べられないし、ビデオも見られない。だから今年のクリスマスプレゼントは、その箱だけでした。
その箱には、ポストカードがちょうど100枚入るのです。家人はそこに、私から届いたカードを1枚1枚と入れていきます。
移植後の家人は、大晦日になって熱を出し、お正月の間はかなり高熱が続きました。発疹やむくみも出ました。食事はほとんど喉を通らなくなり、食事代わりのゼリーがやっと。ガラス越しの面会も、いつも看護師さんに押されて車椅子で出てきます。髪もすっかり抜けてしまいました。
けれどここにきて、白血球の種類の1つである好中球が増加を示し、生着に向かって確実に進んでいることがわかりました。それとともに熱も次第におさまってきています。今日は「焼きそばが食べたい」と言うので、伊勢丹で焼きそばを買って差し入れしました。日本茶と共に、4口くらい、美味しく食べたそうです。
少しずつ、本当に少しずつですが、前に進んでいます。
ポストカードはもう20枚近く、箱にたまりました。退院まで、5分の1の日程が過ぎたことになります。
「砂時計ならぬ、はがき時計だね」と家人。いつもながらネーミングがうまいっ!
そして「髪はハゲ止まり、みたい」とも。?
はがき時計が箱にいっぱいになったら、それは桜の季節、退院の時。
その時を心待ちにしています。
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