誕生日、そして新しい人生へ ーー起業と退職

  1. Family

今日は4月5日は、私の65歳の誕生日でした。
多くの方にお祝いしていただき、なんて幸せなのだろうと思います。

誕生日は満開の桜。朝、パドラーズカフェでひとり花見をしました。

毎年、ここの桜を見てきた。

4月4日をもって、私はハースト婦人画報社の社員を卒業しました。ハーストからは今後も今まで通り一緒に働いてほしいと言っていただき、今後は業務委託契約を結んで、同じ肩書と仕事を続けさせていただきます。

それに先立ち、3月25日に東川で起業しました。
株式会社2M house。

東川の家の名前をそのまま会社名にしました。「2人とみんなの家」という意味で、至誠がつけてくれた名前は、私がこれから仕事をしていく上で最もふさわしい会社名だと思ったのです。

今まで副業はしてきませんでしたが、今後はモダンリビングのブランドディレクターとして、MLスタイリングのディレクターとして、そしてMLクラブの主催者としての仕事をハーストと続けながら、私個人の仕事は株式会社2M houseで受けさせていただきます。

私の初めての退職(!)は、今後もモダンリビングの仕事は変わらないということもあり、ドラマに出てくるような退職届も(デジタルで提出)、盛大な花束もなく(フリーアドレスなので人もいない😅)、実にあっさりとしたものでした。
私自身、何か大きな終わりを感じることもなく、ひょいっと線を飛び越えるように次に進んだ気がします。

42年という会社員生活。1度も退職も転職もしたことがなく、それでいながら、会社は4つ目という😆(婦人画報社、アシェット婦人画報社、ハースト婦人画報社、ハースト・デジタル・ジャパン)経歴でした。
そして73年のモダンリビングの歴史の中で、すでに21年間も関わっているのだということに自分自身を驚きながら、この日を迎えました。

起業のことも以前から漠然とは考えていましたが、決めたのは3月末になってから。
65歳の誕生日の前日に退職することになっているという会社の規定を知り、これからも仕事を続けていくのであれば、新たな形を整えようと思ったのです。

法人化に関しては何も知らず、全くの手探りでした。
しかしこういう時こそ小さなコミュニティは力を発揮します。
ネットで調べるよりもまずは口コミと、東川の方たちの助けを借り、役場で話を聞き、司法書士を紹介してもらい、税理士事務所に行き、、、とあっという間に進み、登記が済みました。
どこに行っても、どこに電話をかけても、ほとんど待たされることがなく、ことがスムーズに運ぶのはコンパクトな自治体ならでは。

昨年の10月31日に、東川町に住民票を移したのは、至誠の3回忌が終わり、ひとつの心の区切りとしてでしたが、振り返ってみると今回の伏線だったのかもしれません。

2019年、5年前の還暦の時、今の自分をまったく想像していませんでした。東川に住むことさえ、まだ決めていなかったのです。そして、至誠はあたりまえのように私の傍らにいました。

なんという5年間だったことでしょうか。

コロナ禍の最中に至誠が逝き、私の人生は終わったのだと思っていました。これからはもう余生なのだと。

ボロボロになってしまった心を抱きしめるように過ごした東川での冬、春、夏、そして秋。その間、多くの友人たちが入れ替わり立ち替わり、東川の家を訪ねてくれました。そして東川の人たちが優しく見守ってくれました。
少しずつ、少しずつ氷が溶けるように息をすることができるようになって、今があります。

「良かったじゃない? これからはもっと楽しんで仕事をしていこうよ」という至誠の声が聞こえてきます。
東京にいても東川にいても、ミラノに行っても、いつも至誠は私と一緒にいるーーそう心から信じられるから、次に進むことができると、やっとそう思えるようになりました。

起業、退職、そして新しい人生へ。

これからもどうぞよろしくお願い致します。

MLスタイリングの認定コーディネーターの仲間が
全国から集まってくれて、
フォーシーズンズホテルで
お誕生日ランチを企画してくれた。


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