暮らしの術【3】散歩できるという幸せ

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NYの友人から、外出禁止令が出る前に、セントラルパークを歩いてきました、というメールが届きました。

新型コロナウィルスによって、パリもミラノも、そしてNYも自由に街を歩くことはできなくなっています。

この三連休、私は毎日、近所の桜を巡っていました。

20年以上、ここに住んでいるので、どこにどんな桜の木があるのか、ほとんど知っています。

旧玉川上水の緑道の桜並木の早く咲き始める木のこと。

住宅街の中に埋もれるようにある桜のこと。

密かな広場の桜のこと。

お寺の枝垂れ桜はソメイヨシノの後に咲くこと。

近くのパドラーズというカフェのテラスには大きな桜の木があり、私はこの季節、毎朝のように寄ってしまいます。

そのテラスで、日に日に開いていく花を見ながらコーヒーを飲むのは、幸せなひと時です。

家人が元気だった時は、週末2人でランチやお茶がてら、ご近所を散歩するのが日常でした。

半径2キロ以内。

住宅街の中にカフェや小さな個人商店があるエリア。

精一杯足を伸ばして、コンランショップという散歩ルートです。

それは半年前まで、ごく普通のことでした。

家人が入院して早くも5ヶ月。

今、願うのは一緒に桜を見ながら歩きたいということだけ。

NYの友人も、つい最近まで、セントラルパークを散歩できなくなるとは思ってもいなかったことでしょう。

散歩というあたりまえの日常が、こんなにも簡単に崩れてしまうとは、、、。

散歩は最高のデトックスであり、心をリセットする方法の一つだと思います。

自然を感じ、緑を目にし、光を浴びながら歩くという行為は、小さな旅のようなもの。

とても身近で、簡単な、これもまた暮らしの術のひとつです。

これから先、日本もパリやミラノやNYのようにならない、という保証はありません。

今、まだ私たちの手の中にあること、「散歩ができるという幸せ」を大切にしたい。

美しい桜を見上げながら、ただただそう思います。

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