介護の時こそ「小さな喜び」を見つける

  1. Family

死に向かって弱っていく親を見つめているのはつらい。

精神的に落ち込まずにはいられません。

でもだからこそ、自分が少しでも普通でいられるように、優しい気持ちで接することができるように、と思います。

そのために、私が心がけていること。

それは、どんなときにも「小さな喜びを見つける」こと。

定山渓病院に泊まり込んで、今日で5日目。

父も食が戻りつつあり、少し落ち着いてきました。

ここで、私が実践していることを書いてみます。

1,朝の散歩

病院という限られた所にいるから運動不足になります。

緑の中を歩くことは、体のためだけでなく、心のためにとてもよいこと。

道端の花に命を感じ、季節の移り変わりを見る。

鬱々とした空間ではネガティブ思考になりがちですが、自然に触れると前向きになれます。

いつも散歩の途中でひと休みする公園。

2、温泉

ここは札幌の奥座敷、という名称もある山の中の温泉街。

周囲にはたくさん温泉宿があります。

宿泊は必要ない(病院泊まり)ので、「日帰り入浴」を片端から試すことにしました。

毎日、違う温泉に通う。

ランチ付きプランなどもあります。

病院では食事も限られるので、昼食だけはきちんと摂るようにしています。

白石区の実家にいた時は、「南郷の湯」という地元の銭湯に通っていました。

母の介護をしていた時は、それが唯一、ひとりになれる時間でした。

露店風呂もあったし、お風呂のあとのソフトクリームも密かな楽しみでした。

毎日、温泉の露天風呂に入る。
思いがけない贅沢!

3、病室の香り

どうしても病室には特有の匂いがあります。

自分がいたくないと思う場所にいるのは厳しいし、父はわからないかもしれないけれど、私自身のためにも匂いは重要。

アロマディフューザーをずっと稼働させています。

昼はフレッシュ系のブレンド、夜はラベンダー。

病室にいるとあまり感じませんが、部屋に入った瞬間、ふっと香ります。

MUJIのアロマディフューザー。
コンセントに繋いでおけば、24時間稼働する。


4, コーヒーブレイク

近くにカフェがあれば、短い時間でもカフェにいくようにしています。

病院での時間を区切り、自分に戻るために。

けれど、そうできないこともあります。

父のそばを離れられないときは、病室でコーヒーブレイクを取ることにしました。

以前は、父も少しコーヒーを飲みましたが、今は欲しがりません。

ドリップでコーヒーを淹れるゆったりとした時間の流れが、心を落ち着かせてくれるのです。

コーヒーの香りが病室に漂う。

それは思いのほか長く残って、つかの間、病室を「家」のように感じさせてくれます。

ある日、出かけて行った「崖の上カフェ」。
包み込まれるような圧倒的な緑に心がほぐれた。

5,夜の映画

父は夕食が終わると眠ってしまいます。

病室の明かりを消し、小さなスタンドだけに。

気持ちが落ち込んでいるときは、読書も気が進みません。

そんなときは、Amazonで映画を見ています。

できるだけ希望を感じられる映画を。

バング&オルフセンのワイヤレスイヤホンとiPhoneで。

イヤホンは右耳だけ。

いつ、父に呼ばれてもわかるように。

いつも持ち歩いている
バング&オルフセンのコードレスイヤホン。
夜の映画にも活躍。

6,食事のときの音楽

朝食は、父の病院食と一緒に私も簡単にパンとコーヒー。

朝はあまりテレビを見たがらないので、音楽を流すことにしました。

iTuneで父の好きなベートーベンの交響曲「田園」を選んで。

いつだったか「田園の初めの部分を聴くと、平和に気持ちになる」と言っていたから。

朝の音楽はこのウィーン・フィルの
ベートーベンの「田園」。


7,Youtubeでゴルフを見る

父は78歳まで趣味でゴルフをしていました。

今もゴルフを見るのは大好き。

テレビで見ることもありますが、タイムリーに見られるとは限りません。

昨日はYoutubeでゴルフを見ました。

全英女子オープン、渋野日向子さんの優勝のハイライト。

真剣に見入る父。

一緒に見ることができてよかった、と思います。

父のiPadで全英女子オープンを。
二人共、夢中で観ました。

8,アルバムの写真

時々、家からアルバムの写真を持ってきます。

父と母は、60歳を過ぎてから毎年、海外旅行に行っていました。

時には年に何回も。

クルーズも10回以上。

その写真を父と眺めるのです。

写真の中では、父も母もいつも笑顔。

私の結婚式の写真や、昔の父と母の結婚式の写真を持ってきたこともあります。

過去の幸せな時間を取り出して、慈しむ。

写真とはそのためにあるのかもしれません。

そんなことができるのも、父の調子がいい時に限られるのだけれど。

父も母も思いっきり笑っている。
幸せな日の、幸せな写真。

9,花

病室に花を飾るスペースは限られているし、最近では花を受け付けない病院もあるとか。

枯れてしまったとき、片付けてくださる人の手を煩わせることになるから、ガラスの瓶に一輪だけ。

「きれいだな」と父が言います。

窓辺の花は、介護の方たちも「きれいね」と言ってくれます。

東京から持ってきた蘭の花。
温泉街には花屋がない。

10,椅子

父が入院するとき、実家から病室に一脚の椅子を持ち込みました。

モーエンス・コッホのホールディングチェア。

折りたたみできて軽いこの椅子は、病室でも邪魔になりません。

ベッドの傍らに座っている時間が長いのに、病院の椅子はたいてい硬くて座りにくく、腰が痛くなります。

そのうえ、この椅子は美しい。

実家にあった椅子が、病室にあることで、少し空気が柔らかくなる気もします。

機能とデザインが一つになった美しい椅子。
横のベッドに毎晩寝ている。


この中で、何かひとつでも、同じような立場の方のお役に立てば、と願っています。 

北海道では、紫陽花は夏の花。

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コメント

  • コメント (2)

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    • いちごママ
    • 2019年 8月 19日

    おこがましいと思いながらもコメントさせていただきます。
    私事とリンクするところが多く共感すると同時に「小さな喜び」を常に見つけたいと感じています。
    日々の生活に煮詰まった時、下田さんの著書やfacebookを読み返して気持ちをリセットしています。
    ブログを立ち上げて下さってありがとうございます。

    • yuka-shimoda
    • 2019年 8月 19日

    いちごママさん、ありがとうございます。
    気持ちをリセットするお手伝いができている、と思うと、とてもうれしく、ありがたい気持ちです。
    病室にいると、とても孤独になってしまいがちですが、そんな時はお茶を飲んでひと息つきましょうね。
    私もそうしています。

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