移植という「クリスマスのギフト」

  1. Family


12月12日(土)、家人と私は担当医から、急性白血病の今後の治療スケジュールとその内容、それに伴う副作用について、1時間以上に渡って詳しい説明を受けました。

2週間の一時退院から、病院に戻り、コロナに対応するための2週間の予備期間を経て、家人は12月15日から無菌病棟(クリーンルーム)に移りました。

その日から4日間の放射線治療、その後、5日間の抗がん剤治療。


12月25日に、臍帯血移植をする予定です。


その予定を聞いた親しい友人は、「クリスマスのギフトだね」と言ってくれました。私の心許ない思いを晴らしてくれるような、その言葉にとても勇気づけられました。

移植とはいっても、外科的処置があるわけではなく、カテーテルから臍帯血を注入するので、移植自体は特に危険はありません。

ただ、自身の白血球が限りなく少なくなっているため、感染症の危険が高くなります。また、臍帯血を入れることで、GVHDが起こりやすくなる、と担当医からも聞いています。


GVHDとはーー
移植片対宿主病(GVHD)は、同種移植後に特有の合併症で、ドナー由来のリンパ球が患者さんの正常臓器を異物とみなして攻撃することによって起こります。 重症化すると治療が難しく時に命に関わることもあります。


そのための対策は万全を期して対応します、との医師の言葉を信じて進むしかありません。
今日、4日間の放射線治療が終わりました。3日目あたりから食欲が落ち、完食続きを自慢にしていたのに、3割から4割くらいしか食事が食べられなくなりました。


無理して食べなくていいですからね、と医師にも言われています。食べられるものだけ食べてくださいねと。本人によると、食べられるのは、果物、野菜、どら焼き、あんぱん、お菓子、、、だそう。?


無菌病棟に移って、一番大きく変わったのは個室でなくなったことです。そのためいつでも自由にできていたFaceTimeが廊下やデイルーム、電話室でしかできなくなりました。つなげたままご飯を食べたり、お茶を飲んだりができないのは、思った以上に寂しいものです。


DVD プレーヤーもないし、Wi-Fiもつながらない。コンビニに行くことも昨日から禁止になりました。


そんな少しずつ不自由な中でも、家人はリハビリのため廊下をせっせと散歩し、原稿を書き、本を読んでいつもと変わらずに過ごしています。


移植後の経過が順調に推移したとしても、退院できるのは桜が咲く頃。


先のことを思い悩んでも、憂いても仕方がない。

わかっていてもやはり心が沈むことは多くあります。そんな時、支えてくれるのは家人の笑顔。

そして心を寄せてくださるたくさんの方のコメントや、お手紙や、心づくしからエールの声が聞こえてきます。本当にありがたいと思います。


どんな1日も、1日であることに変わりはありません。今はただ、来年の桜の季節を待ちわびて、日々を重ねていきます。


2020年12月12日。担当医の説明を聞いた後で。


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