暮らしの術【2】花を最後まで楽しむ

  1. Interior


テレワークや外出の自粛などで家にいることが多くなり、花をきらさずに飾るようになりました、という声を聞きました。

どこか重苦しい空気の中で、ちょっとうれしい話でした。

花があると部屋が生き生きとします。

私も以前にまして、花の存在が大切になってきています。

改めて、花の効用を考えてみました。

部屋が散らかっていると、花を飾る気になりませんよね。

花を飾る、という日々は、部屋をきれいにするきっかけにもなります。

そして、花の置き方によって、周囲の小物を動かしたり、棚を整えたり。

さらに、花は毎日水を換え、茎を少し切って水あげを良くし、、、という手間を伴います。

それがまた、そのたびに、小さく暮らしをリセットすることになるのです。

手間を面倒くさいと思うか、その手間を楽しめるか。

私自身、忙しくて余裕がないと、つい花に手をかけることを忘れてしまったり、面倒くさいな、と思ったり。

今の、いつもよりゆっくり流れる時間の中では、花の時間を受け入れやすいのかもしれません。

私は茎が短くなるたびに、生ける器を変えていきます。

いつも使っているのは、ガラスの花瓶だけでなく、シルバーのティーポットだったり、ワイングラスだったり、インク壺だったり。

最後は、ほんとうに短く切って、花だけを水に浮かべて。

高さのある器を使うと、一輪でも華やかに。

そして、葉も添えてみましょう。

こんなふうに、緑のプレートに載せたら、テーブルのセンターピースにもなるくらい存在感が出ます。

買ってきてすぐに、ここまで思い切った飾り方はなかなかできないもの。

ガラスの器はイッタラ、下のプレートは
グスタフスベリのベルサンシリーズ。

もうひとつ、これはガラスのキャンドルスタンドに、短く切ったマーガレットを。

ポンポンと挿していくだけ。

水を少し入れて。

これなら、ベランダに咲いている鉢植えの花を切って、でもいいですね。

キャンドルスタンドはカイ・フランクのヴィンテージ。

最後だからこそできる花遊び。

気持ちが沈む時、花を触ると元気になれるもの。

新しい器で新しい表情を見つけるたびに、小さな喜びが湧いてきます。

これも小さな暮らしの術のひとつです。