「個人ブログをスタートした理由」をご覧になって、家人と私の決断に驚いた方もいるかもしれません。
北海道の東川町に土地を購入したのは、今年の7月のこと。
けれど、それを考え始めたのは、5年前。
もちろん、はっきりと決めたわけではありません。
そうできたら素敵だなあ、という程度。
言霊(ことだま)ってあるんだな、と思います。
おずおずといつかそうしたい、、、と口にしているうちに現実になりました。
2014年にモダンリビングの別荘特集で、「東川に住みたい!」という特集を組み、取材しました。
それまで通り過ぎたことしかなかった東川という町を、きちんと知ったのはその時です。
決断した理由は3つあります。
1.これからの先の10年の暮らし方を変えたい
このまま東京で過ごしたとしたら、あまり変化はないでしょう。
今の暮らしもリノベーションした家も気に入っているし、元気で生涯現役を通したいと思っている私に、東京の家は必要です。
でも、もう1つの別の場所が欲しいと思いました。
幸い、何度も訪れるうちに家人も東川を気に入って賛同してくれました。
正直、東京の夏の暑さが耐えられない、と思うようになったこともあります。
別荘ではなく、もう1つの家。
行ったり来たりするには、時間的距離が重要ですが、東川は旭川空港から車で15分です。
東京と東川、それぞれで仕事をするつもりです。
2.人と繋がって暮らしたい
東川の家は、自分たちのためだけではなく、いろいろな人の家になればいい、と思っています。
何年か前、MLクラブで冬の織田邸ツアーをしたことがあります。
その時、東川に泊まったのですが、参加したコーディネーターさんたちが、こんなところに「みんなの家」があるといいね、と言ったのです。
疲れたらふらっときて泊まれるような、、、と。
そのことがずっと頭に残っていました。
大きな家ではないので、ゲストルームは一部屋だけですが、それでも小さな「みんなの家」になれば、と思います。
そして、東川の町や人とも繋がりたい。
すでにたくさん知り合いがいます。
東京より時間がゆっくり流れているので、どこでも会話が成り立ち、自然に繋がっていきます。
そして私自身も、何か東川という町の役に立ちたいと思っています。
3. 自然と触れ合って過ごしたい
購入した土地は、農家宅地だったところ。
ほとんどが畑で、今年はまだ作物が植わっています。
サクランボ、ブドウ、洋ナシ、ブラックベリー、グーズベリーなど実のなる木もあり、春には山桜が咲きます。
果実を摘んで、ジャムを作る。
ハーブを植えて、料理に使う。
家人は小さな菜園をするかもしれません。
今、定山渓温泉の父の病室から緑の山々を見ていて思うのです。
自然はなんて心を安らかにしてくれることでしょうか。
虫は苦手な私ですが、それも含めて、自然の近くにいたいと思うようになりました。
1年の半分が冬です。
それもまた、大好きなところです。
そして残りの半分の季節は、出来るだけ外のテラスでご飯を食べたいのです。
二拠点生活、という言葉も一般的になりました。
父の介護で、毎週のように札幌に通い、できないことじゃないんだな、と実感しました。
父が練習させてくれたのかも、と思います。
私は母の実家が旭川市だったので、旭川で生まれました。
生まれて二ヶ月で、父の転勤に伴い、道内の室蘭市に引っ越しましたが、夏冬の休みには、ほぼずっと旭川の母の実家に来ていました。
ですから、この地方の冬の雪の多さ厳しさは、肌で知っています。
50年前の木造家屋の断熱性能は限りなく低く、石炭ストーブのある部屋から廊下へ出ると、凍えるほど寒かったのを覚えています。
当時、缶ビールはなく、瓶ビールだけ。
廊下に置いておくと凍って膨張し割れてしまうので、割れないために冷蔵庫に入れていました。
母の実家は旭川の街中でしたから、周囲は普通の住宅地。
「北海道を発見」したのは、ずっとずっと後になって、何十年も東京で暮らしてからのこと。
東川町は人口8000人の田園地帯です。
果てしなく広がる田んぼ。
その景色が、折に触れて私の中に蘇るようになりました。
もし、東川に住むとしたら、ハードルは何だろう。
寒さや雪は、断熱性能の高い家をつくれば大丈夫。
問題は2つ。
1.車の運転はどうするか?
2.土地が見つかるか?
家人は運転しますが、私は免許を持っていませんでした。
一生必要ないと思っていたのです。
でも、東川で生活するなら、車は必需品です。
それで、土地よりまず、免許を取ることにしました。
もちろん東京で!
3ヶ月かかりましたが、二子玉川の小山ドライビングスクールに通い、2018年のお正月明けに免許を取得。
第1ハードルを越えました。
第2ハードルの土地は、今年になって急展開。
土地のほとんどは農地という東川で、ロケーションの良い離農した農家宅地は限られており、難しいと言われていました。
けれど、ご縁があって、田んぼに囲まれた幹線道路沿いの、350坪の土地を農家さんに分けて頂きました。
私の家プロジェクト、これから折に触れて、書いていきたいと思います。