今日の午後、家人は退院しました。入院から3日目。肺炎は完治には至っておらず、本来ならば、1週間から10日の入院が必要です。けれど、家人は3日が限度、と。
家に帰りたいーー。
家人の強い要望に、担当医は患者さんの心も大切だから、と訪問診療での点滴という方法を提案してくれました。
訪問診療で大丈夫だろうか。私で対応できるだろうか。
そんな不安も、次々とやってくる新しい局面に戸惑いもあります。それでも、私は家人の望むようにしてあげたい、と思いました。
2019年の10月に白血病を発病して以来、家人はこの1年半のほとんどを病院で過ごしてきました。3月に退院してからも、1ヶ月も経たずに再入院を繰り返す日々。68年の人生の中で、決して短くはない時間でした。
病院の看護師さん達の対応には感謝しかありませんが、飲みたい時に温かいお茶も飲めず、病院食を食べ続け、冷房の効きすぎた無味乾燥な病室での時間は、もう耐えられないというのも、当然だと思うのです。
家に戻った家人は、安心したように眠っています。
夕方、訪問看護ステーションの方とクリニックの先生、看護師さんがきて、必要なことを整えてくれました。明日から訪問点滴が始まります。
まだ、食欲はあまりなく、今日もほとんど食べていないのですが、それでも目が覚めて言ったのは「マンゴーが食べたい」。
昨日、沖縄に行った方から届いた果物と野菜の宅急便。そのなかには、立派なマンゴーも! その話をしたら、家人はマンゴーをとても楽しみにしていたのです。

たくさんは食べられなかったけれど、家人はとても美味しいと言って、マンゴーを口にしました。
夜、新たなうれしいメールが届きました。旭川の知人からで、東川2M houseの庭のサクランボとイチゴを収穫してクール便で送りました、という知らせでした。

何と美しいことでしょう。あの庭で育ち、私達を待っていてくれた果実たち。
東川の庭で2人で収穫した気分をちょっとだけでも妄想してくれたら、、、という言葉に、涙が溢れました。
今年は庭のサクランボがなる頃、東川に行きたいねーー家人は3月に退院したとき、そう言っていたのです。残念ながら、自分では収穫できなかったけれど、退院したのでサクランボを味わうことはできます。

マンゴーといい、サクランボといい、、、本当にたくさんの方が見守り、励ましてくださっている。
そのことに2人とも日々、心から感謝しています。