家人の帯状疱疹は、一時ほどではないとはいえ、まだ痛みが断続的に続いています。6時間おきに飲む鎮痛剤も、痛みが全くなくなるわけではなく、食事中も顔をしかめて必死に痛みに耐えているのを見ると、堪らない気持ちになります。
白血病を発症し、抗がん剤や放射線治療、臍帯血移植による後遺症と、たくさんの壁がありましたが、痛みの場面はありませんでした。
もう、たくさんのことは望まない。
海外旅行に行きたいとか、あれがほしいとか、こうでなければ嫌だとか・・・・かつてとてもこだわり、大事だったことは、今、ことごとく意味を失っています。
体の自由があまり効かなくなってから、家人はとても涙もろくなりました。それと共に、たくさんの「ありがとう」を口にし、私の名前を呼び、素直な言葉で気持ちを伝えてくれるようになりました。
移植後、生まれ変わる皮膚や爪、まだ定まらない血液型、紫外線に弱いことなどから「3歳児だと思ってください」という医師の言葉がありました。眠っている時だけ痛みから解放されている家人を見ると、まさに3歳児のように思えます。
コロナ禍でリモートでの仕事でなかったら、どうしていたのだろう。介護休暇を取るしかなかったかもしれません。
コロナ禍だからこそ、こうしてそばにいることができます。
日々の時間が痛くなければいい。
「笑顔で食事がしたい」という家人の想いがかなえばいい。
向き合って囲むお茶のテーブルで、たわいのない話ができればいい。
家人との日常の中で思うのです。人生で本当に大切なことは、とても少しなのだと。
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