今朝もテラスで朝食をとりました。外に出られる日は、できるだけテラスでご飯を食べたいーーそれは、この家をつくるとき、建築家の森山さんにお願いしたことでもありました。
冬が長い北海道では、テラスを使えるのは1年のうち半分もありません。でもだからこそ、この時間がとても愛おしいのです。
二拠点生活を去年の11月から始めて、9ヶ月が経ちました。
11月、すぐに雪が降り、真っ白の世界が長く続きました。
そして、3月の雪解け。
ふきのとうが顔を出し、すみれの花が咲き、水仙、チューリップ。アスパラを収穫し、待ち侘びた桜が咲いて、モクレンが花をつけました。
シャスターデージーが庭を白く染め、真っ赤なポピーがその間に点々と色を添えていきました。その赤と白も今ではすっかり姿を消し、今は、ピンクのフロックスと、白いヒメジオン、黄色いヘリオプシス(姫ヒマワリ)が咲いています。
銀杏の木の下のイチゴが食べ頃だったのは6月の下旬。旬とはよく言ったもので、本当に10日余りでイチゴは姿を消し、次にレッドカラントの実が真っ赤になりました。グリーン色だったグーズベリーも赤く熟し、今が食べ頃。ブルーベリーも大きな実をつけて少しずつ色づいてきています。
葡萄棚のデラウェアや、黒ぶどう、梨はこれから秋に向けてのお楽しみです。
その傍ら、6月に植えたトマトやズッキーニはあっという間に大きくなり、やはり同じ頃に植えたハーブの苗とともに、サラダの材料を提供してくれます。
私の朝は、庭をひとめぐりすることから始まります。今朝もグーズベリーとブルーベリーを摘み、レタスとルッコラとバジルとディルを摘んで、朝ごはんに。
季節はなんと劇的に移り変わっていくのでしょうか。目の前の田んぼは緑一色ですが、あとひと月もすれば黄金色に変わります。
あの真っ白だった音のない世界。それとは対照的に7月の朝は自然の音楽に溢れています。
さわさわとした蝉の声。ホーホケキョとウグイスの声。川のせせらぎの音。鳥たちのささやき、虫の羽音。
時は一瞬として立ち止まることはないのだと、ここにいると感じます。
どんなに美しい花も数日後には消えてしまう。思いっきり草を刈った大地からは、すくすくと次の緑が伸びてくる。
あー、今日も夕日がきれいだったーーそうやってほんの一瞬立ち止まる時間を大切にしたいなと思います。
去年の夏は、ほとんどベッドにいる至誠と東京のマンションにずっと閉じこもっていました。体温調整ができない至誠のために、冷房はずっとかけっぱなしで。こんな爽やかな風を感じさせてあげたかった。
今でも思い出すと涙が出てくるけれど、今、私が東川にいてこの自然とともに生きていることを、誰よりも至誠が喜んでくれていると信じています。
私が笑顔でいることだけが、至誠の望んだことだったから。
東川2M houseでの初めての夏。
命はこんなにもたくましく、儚く、そして美しいのだと思わずにはいられません。