東川町でも桜が咲き始めた、とインスタグラムで知りました。
東川2M houseの庭の桜を、今年も眺めることができないのはとても寂しい。
初めて土地を見に行ったのは、2019年の6月でした。
その時には、桜はもう終わっていましたし、去年もこの時期、東川に行けなかったので、まだ一度も実際に見たことはないのです。
3月28日の引き渡し後、私は4月14日に東川に行きました。
東川町が4月14日を「良い椅子」に制定。この日、隈研吾さんを迎えてのイベントが開催され、モダンリビングとして取材のために訪れたのです。
そして、その日、初めてひとりで東川2M houseに泊まりました。
新しいリネンでベッドメイキングをし、小さなベッドルームで眠りにつきました。
翌日、目が覚めると、雪が降っていました。
4月の雪!
まだ、薄あかりの6時頃。
思わずベッドルームの窓を開けたら、セコムの警報が鳴り響き、びっくり!
すっかり忘れていたのです。
すぐに携帯に、セコムから電話がかかってきました。
いや〜、焦った!?
騒ぎが収まり、リビングに行って外を眺めると、雪は止み、朝日が眩しく庭に差し込んでいました。
刻々と光は変わり、雪が溶け、景色が変わっていきます。
なんて美しいのでしょう!
ただただ、外の景色を見つめていました。
7時半。共に取材に来ていたスタッフの山田さんとカメラマンの名和さんが車で迎えにきてくれ、一緒に近所のお店に朝食をとりに行きました。
斎藤さんご夫妻の営む「奥泉」は中国粥と中国茶のお店。朝、7時から開いています。家から一番近い、ティールーム。
窓の外には、田んぼが広がっています。今はまだ、寂しいけれど、もう少ししたら、緑に染まります。
私たちは、ゆっくりお粥と水餃子、中国茶と月餅を頂きました。
2人が取材に出かけた後、私は家に戻り、芦野組(工務店)の現場監督、山本さんに手伝って頂いて、前もって送っておいた額を掛けていきました。
東川町は「写真文化首都」を宣言している町です。高校生の写真コンクール、写真甲子園や写真フェスティバルも、毎年開催しています。
この家の佇まいやカラースキームからも、モノクロ写真を飾るという選択肢はとても自然なことでした。
長く編集の仕事をしている中で、以前から持っていたゼラチンシルバープリントの作品を選んで掛けました。
白い壁に額を掛けた途端、家が息をし始めたような感覚がありました。
アートや本は、住み手の個性をはっきりと表現するものです。本棚はまだ空っぽですが、これから少しずつ、埋めていくつもりです。
初めての東川2M houseの宿泊。
次に来るときは、絶対に家人と2人で、と決めています。
iPhoneから送信