家人が退院して3日が経ちました。
帰宅した当初は、一人で立ち上がることもままならず、立つこと、歩くことができない状態でした。急遽、介護保険を申請し、最小限の仮設の手すりを設置。日常生活でリハビリを繰り返す中で、家人は日に日に体が動くようになりました。
土曜日、手すりを掴んでトイレまで伝い歩きができ、日曜日、一人で用をたせるようになり、そして今日、キッチンまで歩いて行って歯磨きできるようになりました。
小さな赤ちゃんの成長を見守るもうに、ハラハラしながら、私はそばで受け止める用意をしつつ、本人の意志を尊重してきました。
私が家にいなくても、困らないように、、、それが最初の目標です。動く範囲は、半径5メートル以内。その小さな世界の中で、家人は懸命に生きています。
その姿を見ていると、とても愛しい。
そして、それができるようになったのには、家の力もあると思うのです。病院では、動くことを制約されることが多かったということもあります。しかし、それ以上に、住まいという眺めて美しく、心和む空間は、生きる意欲を後押ししてくれます。
ベッドからふと見上げると、グリーン越しに漆喰の壁が透け、天井には木の鳥が飛んでいます。
今までも当たり前にあった景色。
それが、とても特別なものとして、キラキラと輝いて見えるのです。
リハビリは本人にとってとてもきつく、大変なのですが、家人はおそらく今まででいちばん懸命に、生きることに向き合っているのではないかと思います。
毎日、毎食、一緒に食事をします。箸が持てない家人は和食の時もスプーンとフォークで。それでもポロポロとこぼしてしまうのですが、美味しい、美味しいと食べてくれれば、それで充分です。
自分のことを自分でできるように。
家の中を歩き回れるように。
そして、いつか一緒に散歩に行けるように。
地道に、着実に、一歩一歩進んでいます。
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